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「引退」から「再出発」へ──三世代をつなぐ“生きがい”のリレー

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Web記事掲載と、心に届いた一通のメール

先日、こちらのWeb記事に掲載していただきました。
▶︎ 東洋経済オンライン|親子三代のものづくり物語

記事が公開されたあと、Xでの発信を見てくださっている方から、G3sewingの商品のご注文と共にこんな温かいメッセージが届きました。

G3さま、B3さま、そのような状況でいらしたのですね。
お体がしんどそうなご様子をご覧になれば休んでほしいと思い、
一方で休んでもらえば生き甲斐のなくなった心をどうすればよいのか迷い……

天秤が揺れるような心の葛藤を、娘である千里さんがどうにかコントロールしようと、
日々お心を砕いていらっしゃるのだと感じました。

このメッセージを読んだ瞬間、胸がいっぱいになりました。
まさに、私が日々感じていた“迷いと葛藤”を、そのまま受け止めてくださっていたからです。


「引退」という言葉がもたらした、予想外の影

Web取材でもお伝えしご記載してくださったように、父(G3)は、自ら「引退宣言」をしました。
高齢になり、体の不調も増え、「もうそろそろかな……」と口にしたその日。
私はそれを止めることができませんでした。

ところが、仕事を離れて間もなく、父の表情は一変しました。
まるで魂が抜けたように無気力になり、「仕事を取られた」と怒り出すことも。

私は戸惑いました。
あんなに「休ませてあげたい」と思っていたのに、
実際に“引退”させてしまったことで、父から何か大切なものを奪ってしまった気がしたのです。

苦しんでいる父を前に、私は迷い、後悔し、心が折れそうになりました。
“親の老い”を受け止める難しさに直面し、私は何度も「もう全部やめたい」とさえ思いました。


娘(孫)の言葉に、心を動かされて

ある日、私は自分の娘にこの苦しい胸の内を打ち明けました。
「おじいちゃん、引退してから様子が変……認知症になってしまったかもしれん。」と話すと、
娘は、驚いたような、でも確信めいた声でこう言いました。

「おじいちゃん、ミシンが生きがいやったんやろ?
いっぱい作れなくても、1日1個でいいやん。

生きがいなくしたらあかん!
ミシンして、がま口はめるだけでも、絶対嬉しいと思う。」

その言葉を聞いたとき、私はハッとしました。
「楽をさせてあげたい」「もう年なんだから」という気持ちの裏で、
私は父から“生きがい”を奪っていたのかもしれない、と。

そして次の日、私は父に向かって、こう告げました。

「お父さん、引退宣言──撤回しよう。
1日1個でもいい。ミシンしてるお父さん、やっぱりかっこいいと思う。」


「1日1個」からの再出発──生きがいのリレー

その日から、父は再びミシンの前に座るようになりました。
最初は、1日1個。時間をかけて、ゆっくりと。
表情にハリが戻り、言葉数も増え、痛みを抱えながらも、少しずつ感覚が戻ってきました。

今では1日3個ほど、休み休みながら制作を続けています。
もちろん、以前のようにはいきません。
でもその姿には、確かに“父らしさ”が宿っています。

不謹慎かもしれませんが、私たち家族の合言葉はこうです。

「ミシンしながら死んでいこうや」

それが、父にとっても、そして私たち家族にとっても、自然で幸せなかたちなのかもしれません。

あの日、娘が言ってくれた一言が、私の心を動かし、
私の決断が、父を再び“生きる場所”へと連れ戻しました。

50代、娘としての私の葛藤。
そして、三世代の気づきと再出発。
この体験が、どこかで同じように悩む方のヒントになれば幸いです。

この体験を通して思い出した聖書のことば

父が引退を決め、そして再びミシンに向かうまでの心の旅路は、決して平坦ではありませんでした。親の年老いていく姿に胸を痛めつつ、どう支えればいいのか分からず、私自身も揺れ動いてばかりでした。でも今、ミシンに向かう父の後ろ姿を見ながら、少しずつ元気を取り戻していく姿に、あらためて神さまのなさることの美しさを感じています。

そんなとき、思い出した聖書のことばがあります。

「彼らは年老いてもなお実を結び、みずみずしく青々としていよう。」
― 詩篇 92篇14節(新改訳2017)

高齢になっても、なお喜びを持って「実を結ぶ」ことができる。その姿は、家族にも希望を与えてくれるものだと、父の姿を通して実感しています。

これからも、無理のないペースで、「今日も1個できたね」と笑い合いながら、父の“第二の現役”を見守っていきたいと思います。

ABOUT ME
g3sewing
G3sewing 商品を手にとってくださった方が幸せな気分に、笑顔になりますように。

POSTED COMMENT

  1. おねえ より:

    G3無理せず続けてほしいなって思います。購入した時にG3が作ったやつなんやなぁと思うとうれしくなります。

    • g3sewing より:

      おねえ様。コメントありがとうございます。G3を応援してくださる方がいらっしゃることを励みに、本人も頑張れると思います!ありがとうございます。ゆっくりですがこれからもG3sewing、続けていたいと思います。

  2. トマト より:

    親を思うが故に葛藤の日々でしたね。
    g3sewingいつも元気をもらってます。
    これからも無理されず続けて欲しいです。

    • g3sewing より:

      トマト様。コメントありがとうございます。葛藤の日々、、、これからも続くかもしれませんが、最後まで走り抜きたいと思います。これからもどうぞよろしくお願いします。

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